【AWS活用事例】オルビスECサイトの最適化

オルビス株式会社(以下、オルビス)はスキンケア・化粧品、美容サプリメントなどを展開しています。オルビスは全国各地に実店舗を構えるほか、スマホアプリなどの多様な販売チャネルを有しており、中でもECサイトの割合が6割を占め、2023年度の売上額は約240億円に上ります。
ポーラ・オルビスグループ全体のDXを推進する役割を担うグループデジタルソリューションセンター(以下、GDSC)は、オルビスの事業に直接的に貢献する以下の提案・実行をしました。
当ブロジェクトでは、オルビス公式ECサイトをより安全に、お客様に快適にご利用頂くために最適化を行いました。特にオルビスが行う様々なキャンペーン期間中は通常よりもアクセス数が増加する傾向にあるため、安定稼働を目指した構成へ改善できたこと、及びコスト最適化にも寄与できたことで、高い評価を頂いています。
今後については、アーキテクチャの改善活動を継続的に行い、ECサイトをご利用頂くお客様の満足度の向上に寄与していきます。また、グループ各社に展開しコスト最適化に貢献していくことを目指します。
背景
オンプレミスで稼働していたECサイトをAWSへ移行しましたが、その後、AWS領域における改善活動に手がつけられていませんでした。
そのため、グループ全体のDX推進を担うGDSCとタッグを組みAWSのスペシャリストのもつ知見と、オルビスのビジネスに対する知見を活かしECサイトの最適化を行いました。
行った施策
2つのポイントを軸に、改善策の提案から実行まで行いました。
1. パフォーマンスの向上
パフォーマンスだけでなく信頼性の向上ならびにコスト削減を目的にCloudFrontを配置しました。
さらに、前段にApplication Load Balancerを配置することで、キャンペーン期間など急 激にアクセスが増加した際には、オートスケールするような構成とし可用性を向上しました。
2. 用途に合わせた最適なDBの選択
受注情報など永続化が必要なデータにはAuroraを選択しました。セッションやマスターデータなど、一時的なキャッシュデータの保存には、ElastiCache(for Redis)を採用しました。
ElastiCache(for Redis)はアクセス集中時に自動でスケールする機能を実装し、必要なリソースを柔軟に拡張できるように最適化を行ないました。これにより、通常時のコストを抑えつつ、アクセスが増加した際には迅速に対応できる構成を実現しました。
▼構成イメージ図
今後の取り組み
今後の取り組みとして、我々はクラウド技術のさらなる進化を目指し、IaaSからコンテナサービスへの移行を加速させていきます。これにより、システムの柔軟性とスケーラビリティを一層強化し、急激なアクセス増加に対する迅速な対応を実現します。また、最新の技術トレンドやセキュリティ対策を積極的に取り入れ、常に最先端のサービスを提供することで、オルビスのビジネス価値向上に寄与したいと考えています。さらに、データ分析の精度を高めることで、より深い顧客理解を可能にし、パーソナライズされたサービスの提供へとつなげていく予定です。